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森喜朗氏「スポンサー決定、私に一任」地検に供述…高橋被告の「よからぬ噂」聞いた
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件の刑事裁判が22日、東京地裁で始まった。検察側は、贈賄罪で起訴された紳士服大手「AOKIホールディングス」前会長の青木拡憲被告(84)らの依頼を受けた「電通」OBの高橋治之被告(78)が、大会組織委員会理事の職務権限を背景として、組織委側に繰り返し便宜を求めたとする構図を描き出した。
東京地検特捜部による捜査の過程で、参考人として事情聴取を受けた大会組織委員会会長だった森喜朗・元首相(85)の供述内容が判明した。森氏は特捜部に、スポンサー決定が自身に一任されていたことを説明したほか、スポンサーに選ばれる前のAOKI側と会食していたことを認めた。
この日の法廷での検察官による供述調書の朗読や関係者によると、森氏は高橋被告の理事就任について、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)前会長(75)から推薦を受けたと述べた。森氏は「電通出身者が理事にいたほうがいい」と思い、それまでに高橋被告が集めた資金の一部が使途不明瞭という「よからぬ噂(うわさ)」も耳にしたものの、最終的に理事就任を受け入れたと説明。人脈が豊富な高橋被告を「便利」と考え、スポンサー集めなどのマーケティングを担当してもらうことにしたと話していた。
森氏はまた、「スポンサー決定は、理事会の決議により、会長の私に一任されていた」と供述。実際のスポンサー探しや交渉、組織委のマーケティング専任代理店だった電通とのやりとりなどは高橋被告や組織委職員が行い、自身は了承する立場だったとした。
AOKIがスポンサーになる前、森氏は、高橋被告の誘いで青木被告らと会食したことを認めた。AOKI側がスポンサー就任や日本代表選手団の公式服装の受注を望んでいることを知り、青木被告に「ラグビー・ワールドカップが開催される頃までにAOKIさんがスポンサーに決まっている」と発言していたという。