「ゼロコロナ」政策の事実上の終了に踏み切った中国では、感染が爆発的に広がる中で医療逼迫(ひっぱく)に見舞われている。北京の病院には重症化した高齢者らが駆け込む例が増えているが、人手や病床が追いついていない。今後、全国的に訪れるとみられる重症化のピークに向けた備えは脆弱(ぜいじゃく)なままだ。

「何日も待っているが、一向に病床が空かない」

北京市中心部の大学病院で26日、患者の家族とみられる中年女性がICU(集中治療室)の扉の外で病院スタッフに嘆いていた。救急診療科の一角では、廊下がベッドで占められ、十数人が無造作に並んだ空気ボンベから酸素の吸引を受けていた。見たところ8割以上が高齢者だ。

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