岸田首相による防衛費増税が明らかになって以降、SNS上では「#徴兵制」のワードが拡散している。「防衛費増額の次はこれ」「徴兵制も閣議決定で決めるんじゃないか」「今を生きる国民の責任だ」といった具合。現在、世界60カ国以上で徴兵制が敷かれており、ロシアのウクライナ侵攻を経て復活を検討している国も出てきた

断末魔の岸田政権なら何をしてくるか分からない怖さがある。ツイッターなどで拡散しているのが、安倍政権時代にも話題になった「徴兵制」の復活。増税議論と絡めながら「若者を貧困化させているのは徴兵制への布石だったのか」といった見方まで出ている。経済的徴兵制といって、貧困に陥った若者に奨学金返済免除などをチラつかせ、志願して軍隊に入ってくるよう仕向けるという意味だ。

■一般公務員より給与は高い

 実際、自衛官の給与はなかなか魅力的。帯広地方協力本部の募集案内には「民間の年収より自衛官の年収のほうが有利」「お給料の他に夏と冬にボーナスが出る」「毎月の生活費がかからない」「長い休みも取れる」と思わず飛びつきたくなるような文言が散らばっている。参考に出されている自衛官の平均年収は、20代後半で469万円、30代後半が534万円、40代後半で677万円。鳥取地方協力本部も「自衛官の給与は一般の公務員に比べても多く支給されています」とうたって、幹部自衛官(大卒程度)の退職金約2700万円をアピールしている。

 もちろん、今の日本で徴兵制が復活することはまずあり得ない。改憲派の政治家も絶対に口にしないのが徴兵制だ。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう解説する。

「兵器や通信機器は高度化し、戦闘はドローンやミサイル、ITを駆使したものに変わってきています。当然、兵士の専門性も進んでおり、徴兵で集められた兵士では立ち行かない。昔のような大量の兵士の密集戦ではなくなっていますので、そもそも徴兵制自体が今の時代に合わなくなっています」

https://news.yahoo.co.jp/articles/fd2536d9fa44004acb6ca5c80293275d99b108d9