情報公開請求で「黒塗り忘れ」個人情報公開 杉並区、謝罪の方針(毎日新聞)
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毎日新聞が東京都杉並区に対して行った情報公開請求で開示された資料の中で、本来は非公開とされるべき個人情報が誤って公開されていたことが28日、判明した。同区は毎日新聞の指摘で誤りに気付き、今後、当事者に謝罪する方針。

毎日新聞が開示を求めたのは、今年2月に同区に提出された請願書。住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の情報が漏えいしていることを告発し、同区に事実確認を求める内容だった。請願書に記載されていた請願者の氏名は個人情報のため公開対象ではなく、本来は黒塗りとされるべきだったが、毎日新聞に開示された請願書ではそうした措置がとられておらず、氏名が確認できる状態だった。

資料は28日に毎日新聞に開示されたが、個人情報が掲載されていたことが分かり、杉並区に指摘した。

杉並区情報管理課によると、情報公開請求でこの請願書を開示したケースは毎日新聞のほか2件あったが、いずれも請願者の氏名を黒塗りして開示したという。同課は「塗り忘れた」と説明している。同区は今後、請願書を提出した人物に、誤って氏名を開示した事実を説明し、謝罪する方針。

杉並区情報公開条例では「特定の個人が識別され得るもの」または「公開することにより、個人の権利利益を害するおそれのあるもの」については非公開を原則としている。

岸本聡子区長は28日、毎日新聞に対し、「深くおわび申し上げるとともに、このような事案が二度と発生しないよう再発防止と職員への指導を徹底する」とコメントを出した。

杉並区はこの請願書をきっかけに男性職員とその知人が住基ネットで個人情報を不正取得していたことを覚知。警視庁が11月に住民基本台帳法違反容疑で2人を逮捕する事態に発展していた。【遠藤龍】