立ち食いそばの新潮流がヤバすぎる…「二刀流」から「巨大油揚げ」まで3つの注目新店を直撃レポート（現代ビジネス）
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立ち食いそばうどん業界も、このところ栄枯盛衰が激しい。前回紹介した三郷市の『あかくら』が、「ゆく店」なら、「くる店」もある。今年(2022年)10月、都心に2つの立ち食いそば屋が相次いで出現した。まず10日にオープンした台東区上野5丁目の『匠そば』を訪れた。
「友人たちに、立ち食いそば屋を開くと話したら猛反対されたんですよ」
こう語るのは店主の魏友慶さん(38歳)だ。中国福建省出身で立ち食いそばの大手チェーン店で15年働き、そのうち13年間は店長をしていたという。「おかげでお客さんの好みや注文の傾向などをつぶさに見てきました」という。それもあって「周囲の反対を押し切って開いたのは、今がこの業界の底だと思ったからです」と言い切る。
コロナを取り巻く環境も以前とは様変わりしてきて、ビジネス業界も少しずつ活性化の兆しが見える。加えて物価高騰のおり、「早い」「安い」「美味い」の立ち食いそばは、再認識されるだろうとの予測からだ。しかも店は、以前大手そばチェーン店が出店していた場所で、借り手を探していると聞いて、「今がチャンスだと決断しました」(魏店長)
目玉の一つが、自家製麺と自家製汁で、店のいちばん左奥に鎮座している製麺機は、店内の客席からも見ることが出来る。汁は、「鰹出汁と昆布出汁に返し(醤油、味醂、砂糖を混ぜたもの)を使って、独特の風味を出しました。ちょっと甘めです」と自信満々だ。
注文を受けてから麺を茹で、天ぷらを揚げる。茹でたて、アツアツ、サクサクの天ぷらの食感がいい。しかも自家製の細切りうどんを、白出汁で食することもできる。
もう一つの目玉が、「あさり丼セット」(680円)だ。卵とじの中に「あさり」が結構入っていて、汁がかかりすぎず、この手の丼ものとしては大したもんだ。食べた直後にもう1杯お代わりしたくなる味だ。私は「あさり丼セット」食べたさに横浜から1週間に2度も来たほどだ。
セットで提供される「もりそば」か「かけそば」は、そのままでもよし。最初のときは「もりそば」に、「とろろ」(120円)と「温卵」(100円)をつけた。これで900円。2度目は「かけそば」に「げそ天」(150円)をトッピングして830円だった。
魏店長によると「あさり丼に加えて、30％ほどいる女性のお客様の多くが、親子丼セット(700円)やカツ丼セット(750円)を注文されます」。人気メニュ―をズバリ読み当てた店長の先見の明が、ここでも証明された格好だ。立ち食いそば屋では珍しい「そば湯」も準備されていて、なかなかの気配りを見せる。先週12月23日、2ヵ月ぶりに訪れると、午後3時過ぎというのに20分ほどの間に8人も、それも半数が女性客だったのには驚いた。だんだん地元に定着してきた証かもしれない。
こちらでは、「ちょい呑み」と称してビールに焼酎、ウイスキーなど酒類も提供している。つまみのメニューが豊富で、1番安い「9割豆腐な肉豆腐」が100円、1番高い「お任せ天ぷら盛り」が700円。トッピングをそのままつまみにしても好し。〆は当然そばということになる。私は「ピリ辛肉舞茸そば」(600円)を注文し、具をツマミにしながらレンモンハイを飲んだが、これが中々いける。朝からでも飲めるので私のような呑兵衛には最高の店だ。
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「匠(たくみ)そば」
場所:東京都台東区上野5丁目23-11
日比谷線仲御徒町駅地上出口から1分 JR御徒町駅徒歩2分
年中無休。午前7時～午後11時(ただし日曜日と祝日のみ午後3時閉店)
椅子席併用店(椅子席20脚、立ち食いコーナー5～6人分)
年末は30日と31日は7時から午後3時まで
年始は1月4日から通常営業
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（後略
