新型コロナウイルスの感染が猛烈な勢いで拡大している中国で企業にも混乱が広がっている。工場は、感染者急増による作業員不足で減産を迫られ、来年1月の春節(旧正月)休暇を前倒しする動きもある。中国政府は、感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策に終止符を打って景気回復を進める方針だが、中国経済を巡る不透明感は当面払拭できないとみられる。

中国政府は12月上旬、防疫措置の大幅な緩和策を発表し、北京など各地では一気に感染が拡大した。北京の日系企業幹部は「3週間弱で7割強のスタッフが感染した。猛烈な勢いだった」と振り返る。北京の中国系ホテル従業員は「待ちに待った防疫対策の緩和なのにスタッフの大半が感染し、館内施設を再開できずにいる」と困惑する。

影響が大きいのは製造業だ。北京の日系メーカーは「感染のため出勤できない作業員が多く、通常より生産ラインを減らして対応している」と打ち明ける。

https://www.sankei.com/article/20221229-KCVF4YRXFJJT7NMBTC5YFLF7SA/