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「肛門の近くにでっかい腫瘍が」「腸をバッチリ塞いで…」クワマンこと桑野信義が明かす、大腸がん“発覚の瞬間”
ラッツ＆スターのメンバーであり、『志村けんのだいじょうぶだぁ』への出演を機にタレントとしても活躍する桑野信義（65）
2020年9月にステージ3bの大腸がんを宣告された彼に、がん発覚前の生活、がんの予兆であった不調の数々、宣告時の様子などについて、話を聞いた。
病気に対する「妙な自信」があった
ーー大腸がんが発覚する以前は、がんに対してどのようなイメージや知識がありましたか?
桑野信義（以下、桑野） 「自分は絶対にがんにならない」という根拠のない自信がありましたね。というよりも病院に行くのが好きじゃなくて、そういうものを避けてた。若い頃から暴飲暴食だったけど胃は強い方だったし、30代で尿管結石になっても入院しないでタイにロケ行っちゃったくらいなんで、妙な自信がついちゃったんだね。
尿管結石はでっかすぎて出てこないもんだから、虎の門病院で超音波を当てて砕いたんですよ。砕いても血尿とか砕いた結石がオシッコと一緒に出るから入院してなきゃいけないんだけど、次の日が『新春スターかくし芸大会』（フジテレビ、1964〜2010年）のドラマをタイで撮らなきゃいけなくて。まだ痛かったけど、虎の門病院にいるよりもタイに行ってみたいじゃないですか（笑）。
ーーそれでも糖尿病が発覚した際は積極的に節制して、100キロ近かった体重を62キロまで落としたとか。
桑野 40代後半で糖尿の気があるって言われてね。でも痩せたのはね、その少し前に友達や先輩が脳梗塞や心臓を悪くしたりして次々と亡くなられたんですよ。それがかなりショックで、すこし健康のことを考えて、酒と煙草をやめてウォーキングを始めたら痩せていってね。
おかげでスタイルが良くなっちゃって。リーダー（鈴木雅之）や他のメンバーよりも俺のほうが細くなって、着たい服も着られるようになったのが嬉しくてね。肝臓とか糖尿病で気をつけなきゃいけなかった数値も良くなって「ほーら見ろ、病院行かなくても治せるじゃん」って、また変な自信がついちゃったんだよね。
そこから少しずつ調子こいちゃって、元の暴飲暴食の生活に戻って太ってしまって。
下痢に便秘、血便も…大腸がんの「予兆」
ーーそうしたなかで、大腸がんの予兆めいたものが。
桑野 そう。3年間くらい、お腹の不調が続いて。最初は下痢だったけど、便秘と下痢を繰り返すようになって、手術をする2年前からは便秘。
お酒を飲むから、もともとお腹はいつも下痢している感じだったの。だから、お腹の調子が悪くても「あ、飲みすぎたかな」って。だけど、だんだんと便秘するようにもなって。
血便もたまに出てたりしたけど、それはウォシュレットのせいだと思ってた。汚い話で申し訳ないけど、下痢すると何度もトイレに行くじゃない。ウォシュレットの水を何回も当ててお尻が切れることがあるから、血便が出てもそれだろうと勝手に解釈してね。
ーーその頃、ステージに上がる場合は、念入りに会場のトイレを確認していたそうですね。お腹の不調で最たる例といいますと。
桑野 一例というか、まずトイレに行っても出ない。あとからわかったことだけど、腫瘍で塞がれてたからいっぺんに出ない。腸閉塞だよね。かろうじて出ても、ウサギのフンみたいなのがコロコロ少し出るだけ。ぜんぶ出てないから、また少しするとトイレに行きたくなる。その繰り返しで、まったくスッキリしない。ただ、ステージに上がっちゃえば没頭はするからね。
それでも催したらまずいなって、いつも気にしていて。支度をぜんぶ済ませてステージに上がる5分前ってところで、「い、い、いまトイレに行って大丈夫?」って聞いてました。
マネージャー・柴田賢一郎（以下、柴田マネージャー） 常に催している感じだったようで、30分おきに「トイレに行ってくる」と言って向かうんですけど、戻ってくるたびに「出ない……」なんてことがありましたね。
ーー血便は、どういった状態のものでしょう?
桑野 血便っていうと赤黒いものをイメージすると思うけど、そうじゃない。かといって、ビャーッと鮮血が出るわけでもないの。俺の場合はトイレットペーパーに赤い血がついていて「ああ、出てる……」って。なんだろう、お尻が切れて血が出てる感じ。しかもウォシュレットの当て過ぎでお尻は痛いから、絶対に切れ痔だなって思うようにしてた。
