ゴーン被告の弁護士「寝耳に水」 日本を逃れレバノンへ
当局は、カルロス・ゴーン前会長が日本を出国したことを確認していないとしている
日産自動車の前会長で金融商品取引法違反などの罪で起訴され、保釈中のカルロス・ゴーン被告(65)が31日、
日本を出国して中東レバノンへ渡航していたことが明らかになった。
レバノンから発表した声明でゴーン被告は、正義から逃げたのではなく「不公平と政治的迫害から逃げた」と説明した。
保釈の条件では、海外への渡航は禁止されている。ゴーン前会長が日本からどのように出国したかは不明だ。
レバノンは、日本と犯罪人引渡し条約を結んでいない。
ゴーン被告は容疑を全面的に否定している。
被告の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士は31日、「報道されている以上のことは知らず、
寝耳に水という状況でとてもびっくりしている。今後、情報が入れば裁判所に提供していきたい」と述べた。
弘中弁護士はさらに、「ゴーン元会長のパスポートは弁護士が預かっており、弁護団がパスポートを渡すようなことはありえない」と説明した。
ゴーン被告はブラジルでレバノン系の両親の間に生まれ、レバノンの首都ベイルートで幼少期を過ごした後、
フランスへ移住した。そのため、ブラジルのほか、レバノンとフランスの市民権を持つ。
NHKはレバノン治安当局の話として、ゴーン被告とみられる人物がプライベートジェットでベイルートに到着したが、「別の名前で入国した」と伝えた。
さらに、東京地方裁判所は、海外への渡航を禁じたゴーン被告への保釈条件は変更していないと明らかにしたという。
「不正な日本の司法体系」
ゴーン被告は31日、レバノン渡航を伝える複数報道の後、短い声明を発表した。
声明では自分がレバノンにいることを認めた上で、「私はもう、有罪が前提とされ、差別がはびこり、
基本的人権が否定されている、仕組まれた日本の司法制度の人質ではなくなった」と語った。
「私は正義から逃げたのではなく、不正と政治的迫害を逃れた。これでやっとメディアと自由にやりとりができるし、
来週からそれを始めるのを楽しみにしている」
https://www.bbc.com/japanese/50953796