週刊現代2022.12.31
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七福神の神様の出身は?

彼らの誕生は、室町時代と言われる。元々、七福神は別々に寺社で信仰されていた。一堂に集まった理由は諸説あるが、一説には最澄が開いた天台宗の仏典『仁王経』の教えが、京都の人々の間で広まったことにあるという。

経に記されているのは「七難即滅、七福即生」という言葉。七難とは「太陽の異変、星の異変、火災、水害、風害、干害、盗難」を指し、これらすべてを消して、代わりに福を与えてくれる存在として、七福神が祀られるようになったのだ。
江戸時代に入ると、七福神信仰は一気に全国に広まる。きっかけは、'23年の大河ドラマの主役、徳川家康だ。当時、家康の指南役・天海が天台宗の僧だったこともあり、七福神を教えられた家康は、喜んで信仰を始めたという。将軍が七福神を信仰したため、諸国の大名もそれに倣い、各地で定着したそうだ。
こうして日本の正月に欠かせない存在となった七福神だが、日本出身の神様は、意外にも恵比寿1人だけしかいない。恵比寿は『古事記』や『日本書紀』に出てくる国造りの神、イザナギノミコトとイザナミノミコトの子供とされ、後に商業や漁業の神として祀られるようになった。