――いくつかの著書において、恭子さんは以下3つのポイントが女性のヴァギナコントロールに必要だと書いています。「1)自分自身のヴァギナをよく知ること。2)女性上位(騎乗位)でのセックスを積むこと。3)自分が気持ちよくなった時、中がどう動くのかを注意深く感知すること」
恭子(以下、K)日本の女性はおそらく、欧米の女性に比べて、ご自身の女性器についてちゃんと観察されていらっしゃらない方が多いのではないかと思います。女性器は女性にとって御顔やボディと同じく、ご自身が愛おしむべきパーツのひとつ。観察することはご自身のための行為であって、別に「いやらしい」ことではないのに、そのように捉えてしまうようですね。そういった考え方ですと、なかなかご自身の肉体を開発していくのが難しいのです。
――幼い頃から女性器を「触れてはいけない場所」と思い込まされている女性は少なくありませんね。
K やはりご自身のヴァギナの中に指を入れて触れてみて、自分の中がどういう感覚なのかを知っていくことが大切です。そのうえで、わたくしの行っているヴァギナコントロール・テクニックについてお話しますと、単にヴァギナを動かすといったことではなく、ペニスとの在り方が重要なのです。
――ペニスとの在り方、ですか?
K 例えばわたくしがヴァギナによってペニスを刺激している時、膣内でペニスがどのように反応し変化していくかを感じ取ることができます。当たり前ですが、相互に反応を起こしているということです。
――なるほど。
K でも、それが元々、自分のヴァギナを触ったことのない女性ですと、自らのヴァギナがどう動いているのか、もしくは動いていないのか、わからないと思うのですね。案外、ご自身が気づかないだけで「動いている」方もいらっしゃるはずなのですが。
――実はmessyでは5月に「膣圧コンテスト」というものを開催したのですが……
K 拝見いたしました。詳しくは存じ上げませんが。
――ありがとうございます。棒状の器具を膣内に挿入して圧力を測ったりトレーニングを行ったりしたわけなのですが、そのときに初めて、ペニス挿入時に自分の膣がどのように動いているのかわかったとか、反対に全く動いていないことを知って愕然としたりですとか、十人十色のレポートが上がってまいりました。体の一部でありながら、ヴァギナのことを知らない女性は本当に多いかもしれません。
K ええ、その通りです。もっと細かいことを申し上げますと、肝心なのは膣圧ではないのですよ。
――ち、膣圧ではない……!?
K 「ないよりは、あるほうがいい」それは当たり前のことです。でも、セックスにおいて膣圧は「第一のドア」なのです。膣圧は単に圧力があるだけ。ペニスが入った時にただ締め付けるだけでは「第二のドア」は開きません。絡み付くようにうねり、ヴァギナのヒダでペニスをとらえ吸い込むように動かすほうが、よほど気持ちがいいのです。
――でも、なかなかその動きというのはマスターできないですよね?
K いいえ、本当は自然なことなのです。なぜなら、女性が妊娠して出産する際には、その動きが基本になっているのですから。これは科学的なことですね。分娩の時、通常、胎児は頭を下にして回転しながらゆっくり膣口に下りてきます。
――普段はペニス程度の細さのものしか入っていない膣を、赤ちゃんの頭~脚までが通るわけですよね。
K なぜそれが可能になるかというと、子宮口、子宮頸管、膣、外陰部の筋肉や靭帯が分娩に際して柔らかくなり広がるからです。この時、膣がねじり込んでいく、と申しましょうか。(経産婦の方は)赤ちゃんは「ポン!」と急に出てくるのではなく、「ギューーっ!」と絞り出していくような感覚とも言われますね。誤解されがちですが、わたくしがいつもお話ししていることは決して俗的なことではなく、医学や人体学に基づいて自ら咀嚼し考えてお話ししています。いいえ、考えてというよりも、元々、自然の流れでそう理解しているのです。
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