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インスタに日常投稿「高校の魅力」発信 岐阜県内生徒会や教員、中3興味津々

岐阜県内高校の生徒会や教員らが、インスタグラムのアカウントを持って学校の魅力を発信している。内容は何気ない日常や進路の参考になる情報などさまざまで、学校の公式ホームページなどと異なり、リアルタイムで更新できる強みがある。受験を控える中学生たちも、投稿を見て学校の雰囲気を知る手がかりとしている。

 岐阜市則武の岐阜北高校では、生徒会長ら3人が投稿を担当する。昨年12月上旬には、生徒会で行った校内のクリスマスイルミネーションを発信するため、スマートフォンを片手に写る範囲や背景を試行錯誤しながら撮影。約200件の「いいね!」が付いた。2年の小野田朋実会長は「『いいね!』やフォロワーも伸びて、反響がある」と手応えを語る。

 羽島郡笠松町常盤町の岐阜工業高校航空機械工学科は、学科主任の鷲見暁国教諭が昨年4月から学科の取り組みを発信。地元の製造業の魅力を伝えるほか、中学生や保護者に工業高校について知ってもらおうと始めた。学校の活動だけでなく、自ら地元企業を訪れて取材した写真や感想も掲載。「出来事だけでなく、自分の思いも伝えることを意識している。学級通信のようなイメージ」と発信のポイントを語る。

 各高校の生徒会や教員らはフォロワー数を増やすため投稿内容の充実や活用方法を模索する。マスコットキャラクター「やくしん君」や、校舎に虹がかかった風景などを投稿する岐阜市長良小山田の岐山高校生徒会は、「SNSで岐山高校を盛り上げる会」を立ち上げ、活用策を考えている。3年の三宅漣さんは「今は生徒会中心の活動なので、今後は他の生徒や部活動などと連携したい」と話す。

 高校からの投稿は入学を控える中学生も注目する。岐阜地域の3年女子生徒は「文化祭の写真を見て楽しそうだった。行きたい気持ちが強くなった」と言い、別の女子生徒は「まだ見たことはないが、リアルな意見や日常を知ることができそう」と興味を示す。

 しかし、インスタグラムの情報を警戒する中学生もいる。同地域の3年男子生徒はSNS(交流サイト)をきっかけに犯罪に巻き込まれる可能性を心配し、「スマートフォンは持っているがSNSは見ない。情報は高校のホームページで見る」と明かす。

 SNSの活用法に注意するのは発信側の高校生も同様で、生徒の顔が写った写真に本人と分からないよう加工を施して個人情報に配慮するなど、それぞれ独自ルールを設けて対応する。SNSで岐山高校を盛り上げる会を担当する教員は「インスタグラムは保護者も高校の雰囲気を知るきっかけになる」と話し、親子での閲覧を提案。「いろんな情報に踊らされず、誰が運用して発信しているのかも見てほしい」と願う。