「日本アニメが世界で大人気」とは、もう何十年も前から言われてきたフレーズである。しかし2020年代に入って以降、この人気の“質”が明らかに変わった。一言でいえば「ファンの裾野が格段に広がった」のだ。

 日本動画協会によると、日本アニメの国外市場規模は昨年、1兆3134億円と過去最高を記録した。12年の同2408億円から実に5倍以上の伸びである。理由として挙げられるのが、日本アニメの人気が一部の「コアファン」から「一般視聴者」へと広がる“大衆化”だ。

 象徴的なのが22年8月に全米公開された「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」である。人気シリーズの最新作とあって、日本でも今年6月に公開されヒットしたが、米国では3000以上のスクリーンで上映。北米週末興行ランキングで1位を獲得したのだ。

 日本アニメの同ランキング1位は前年の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」に続くものだ。「鬼滅の刃」の1位も1998年公開の「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」以来となる、日本映画では22年ぶりの快挙だったが、“ミラクル”が2年連続で起こったことになる。

 そもそも外国映画が全米公開されること自体が珍しいなかで、両作は並みいるハリウッド大作を退けた。その理由はどこにあるのか。

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