フジテレビの恋愛リアリティー番組に出演し、SNSで中傷を受けた末に2020年5月に命を絶ったプロレスラーの木村花さん(当時22)の母・響子さん(45)をインターネット上で中傷したとして、警視庁は5日、東京都内に住む40代の男を名誉毀損(きそん)容疑で書類送検した。送検にあたり、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたという。

ADVERTISEMENT

 捜査関係者によると、男は20年9月、インターネット上の掲示板に響子さんの人格を否定するような内容などを投稿して不特定多数の人が閲覧できる状態にし、公然と響子さんの名誉を傷つけた疑いがある。

 響子さんは花さんの死後、NPO法人「Remember HANA」を設立。ネット上の中傷対策に取り組んできたが、自身も複数の誹謗(ひぼう)中傷にさらされてきた。警視庁はこうした中傷の投稿者の摘発を進めており、21年9月には侮辱容疑で、昨年4月には名誉毀損容疑でいずれも40代の男計2人をこれまでに書類送検しており、今回送検が明らかになるのは3人目。

 ネットの中傷をめぐっては、侮辱罪の厳罰化を盛り込んだ改正刑法が昨年7月に施行。法定刑が「拘留(30日未満)か科料(1万円未満)」から「1年以下の懲役・禁錮か30万円以下の罰金、または拘留か科料」に引き上げられた。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR145GM3R14UTIL00M.html