霞が関官僚も共感する、ホワイトすぎる職場の悩み

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テレビ朝日が昨年12月19日に報道した、「『ホワイトすぎる職場』去る若者急増」が霞が関で働く官僚たちの間でも話題になった。中央官庁の若手官僚たちも最近、次々と職場を去っている。彼らの場合、「ホワイトすぎる」というところまで行かないが、必ずしも、霞が関官僚について回った「ブラック」が、その理由ではないという。

ある省庁で働く50代のノンキャリア官僚は「この半年、私の知っている20〜30代の若手官僚が5人も辞めた」と語る。このうち、「ブラックだから」という理由で辞めたのは1人だけ。残りの4人は「ここでは、自分は輝かない」と言って辞めていったという。再就職先は外資系コンサルタント会社や研究所だという。

今もかなりハードだが、かつての霞が関官僚の働きぶりは、「過労死があたり前なんじゃないか」と思うくらいハードだった。この50代官僚も「残業は午前2時、3時はあたり前でした」と語る。終電間際に「もう今日はこれで一区切りつけよう」と思って帰ろうとしても、上司の許可が必要だった。上司は必ず、「ん、もうちょっといてくれる」と答えるので、そのうち尋ねるのが面倒になって辞めたという。

今でも、「国会待機当番」はある。国会が開いている期間、答弁を準備する係のことだ。国会議員から質問を取ってくると、その答弁を作成する。関連資料も作る。そのうえで大臣秘書官に送る。役所に冷たい議員はなかなか質問を教えてくれない。大臣秘書官がOKすれば帰れるが、そうとも限らないから、大体帰るのは未明の時間帯になる。

ただ、霞が関官庁にも「ワークライフバランス」が導入され、それが上司の査定項目に入るようになった。50代官僚は「今の若手も、平日の夜に会食を入れるというのはかなり難しいですが、それでも電車で帰りますね。帰るときも別に許可を求めたりしません。残ってほしいときは、こちらから事前に頼まないといけません」と話す。