鶏肉「中国はもっと高く買ってくれる」…買い負ける日本[世界秩序の行方]

日本は食料の多くを輸入に頼る。鶏肉はブラジル産が最も多い。主に低価格が売りの外食チェーン店で提供されている。
コーパベルが日本への輸出を始めたのは1997年。

以来、日本向けが最多だったが、2020年からは中国が上回るようになっている。

サンパウロに拠点を置き、鶏肉確保に動く日系商社の担当者は言う。
「かつて日本より高値で買う国はなかった。でも19年頃からは、『中国はもっと高く買ってくれる』と値上げを要求されることが多くなり、
実際に『中国に売ることにした』と乗り換えられたケースもある」

日本は長くデフレが続き、国民の購買力が相対的に低下した。
小売価格への転嫁は敬遠され、調達時に高値を打ち出すことは容易ではない。
海外で買い付ける力が落ちているのだ。ブラジルには、ウクライナを鶏肉調達先の中心としてきた欧州や中東の各国も目を向ける。
「本格的に『買い負ける』時代は、すぐそこかもしれない」。商社担当者の危機感は強い。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230105-OYT1T50200/