【王将戦】藤井聡太王将初防衛か、羽生善治九段タイトル獲得通算100期か 7番勝負第1局開始

 藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が初防衛を目指して羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局が8日午前9時、静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」で始まった。タイトル戦での対決は初めて。過去は藤井の7勝1敗だが、2日制の7番勝負で対戦するのは、初めてになる。

 対局前の午前8時46分にまず羽生が入室。3分後に藤井が入室した。ともに羽織、はかまの和服姿で、お城での将棋によく似合っていた。お互いに駒を並べた後、先手後手を決める振り駒は地元の久保田崇市長(46)が行った。「振らせていただきます」とひと声掛けて5枚の歩を振る。歩が3枚出て、藤井が先手、羽生が後手と決まった。

 対局の開始が告げられると、藤井はいつものようにマスクの右ひもを外して、お茶を口に含む「初手お茶」の後、飛車先の歩を突いた。対する後手羽生は5秒ほど腕組みして、角道を開けた。

 藤井はここまでタイトル戦11連勝中。静岡県内でのタイトル戦も21年棋聖戦第3局(沼津市)で渡辺明名人(38)を下して、タイトル初防衛を果たした。昨年の王将戦第1局では時の渡辺王将の掛川対局6連勝を阻止し、史上最年少5冠への足掛かりを築いた。また、王位戦第5局(牧之原市)でも豊島将之九段(32)の挑戦を退け、タイトル戦10連勝。竜王戦第3局(富士宮市)では広瀬章人八段(35)に逆転勝ちした。

 今回は通算1520勝、タイトル獲得通算99期と将棋界トップの実績を誇る羽生に対し、どう戦うのか注目だ。

 対する国民栄誉賞棋士の羽生は20年竜王戦以来、3年ぶりのタイトル戦。王将戦は7年ぶりとなる。挑戦者決定リーグを6戦全勝で勝ち上がり、今回のゴールデンカードが実現した。6冠を保持していた96年には、時の王将だった谷川浩司九段(59)に4連勝して、7冠全制覇を果たしている。そんなレジェンドがタイトル獲得通算100期を目指し、今を時めく史上最年少5冠に挑む。

 将棋ファンならずとも注目の、この先語り継がれるであろう歴史的なシリーズの持ち時間は各8時間。両日とも午前、午後のおやつが提供されるほか、午後0時30分から1時間の昼食休憩がある。初日は午後6時の段階で出番の側が指し手を封じる「封じ手」を行って終了。翌9日の午前9時から対局が再開される。
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