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「食欲不振」胃が弱い日本人が知るべき1つのツボ
年々食べられなくなってきている人は要注意
「胃の不調」は自律神経の乱れが原因
「最近、食欲がなくなり、お腹がすく感覚がない」
「食べるとすぐにお腹いっぱいになってしまい、たくさん食べられない」
「胃もたれがひどくて、常に不快感がある」
みなさんの中に、こうした症状を抱えている人はいませんか?
好きなもの、おいしいものを満足いくまで食べること。
それは人間にとって、もっとも大きな喜びであり、幸せなことの1つです。
しかし、胃のだるさ、痛み、不快感、膨満感などを抱え、食事を楽しめなくなっている人、食べることがストレスになっている人は少なくありません。
胃もたれ、胃の痛み、食欲不振、ムカつき、吐き気、さらにはお通じの悪さといった、胃をはじめとする消化器のさまざまな不調の原因としては、加齢による筋力の衰え、ストレスや睡眠不足、偏った食生活、お酒の飲みすぎなどによる自律神経のバランスの乱れなどが大きく影響します。
本稿では筆者が胃の調子が悪い方へ施術する「胃マッサージ」の中から「中脘のマッサージ」と自律神経を整えるツボのマッサージを紹介します。
「加齢によって低下した胃の働きが活発化される」「胃もたれや食欲不振の原因となる自律神経のバランスの乱れが改善され、そのほかのさまざまな体の不調も解消する」などさまざまな効果が期待できます。
自律神経のバランスが整い、胃がよく働くようになれば、お通じも良くなり、冷えなどさまざまな体の不調が改善されるでしょう。
食事への不安も解消され、食事が、そして人生が楽しくなるはずです。
胃が活発に動き、お腹が鳴る魔法のツボ「中脘」
実は、おへそとみぞおちの間、おへそから指5本分上に上がったあたり(おへその上に小指をかぶせるように手のひらを乗せたとき、ちょうど親指がくる位置)に、胃の不調にたちどころに効く、魔法のツボ「中脘」があります。
中脘は、おへそとみぞおちの真ん中あたりにあります。胃のぜん動運動を促す、内臓全般の効果を整えるなど、知っておいて損はないツボです。
加齢や過度のストレスなどにより、胃の働きが悪くなったり、胃が何らかのダメージを受けたりすると、それは必ず中脘にあらわれます。
この仕事を始めてから25年以上になりますが、私のところに施術にいらっしゃるお客さまのほとんどは、中脘にこりがあったり、中脘を刺激すると鈍い痛みを感じたりします。
それだけ、胃に何らかの不調を抱えている人は多いのです。
みなさんも、中脘を指で押してみてください。
胃が元気なら、指がスッと入っていきますが、抵抗を感じる、こりがある、鈍い痛みがある、という場合は、胃が弱っていたり疲れていたりする証拠です。
そして、胃のだるさや痛み、不快感、膨満感を抱えている人や、食欲がわかないという人でも、中脘をマッサージすると、すぐにお腹がグーッと鳴り、胃の不調が改善し、空腹を感じ、食欲がわいてきます。
お腹がグーッと鳴るのは、胃の筋肉が活発に動き出すからです。
中脘をマッサージすることで、胃の不調からくる肩こりや腰痛が解消したり、内臓全体の機能が高まり、体のだるさが解消したりすることもあります。
また、中脘やそのまわりをマッサージすることで、長い間の便秘が解消し、便意をもよおす人もたくさんいますし、食欲不振や胃のムカつき、胃もたれ、痛みなどが改善した方が多くいらっしゃいます。また、中高年の方で最近、胃の不調で食事が楽しめないという方には、いつも中脘のマッサージを含む「胃マッサージ」を紹介しています。
加えて、頑固な便秘に悩む高齢者は少なくありません。
その主な原因としては、加齢に伴い、筋力が衰えたり自律神経のバランスが乱れたりして、大腸がうまく便を運べなくなること、排便に必要な肛門周辺の筋力が衰えること、食事量が減り、便自体の量や、スムーズな排便に必要な水分・食物繊維などの摂取量が減ること、運動量が減り、食欲が低下したり大腸への刺激が減ったりすることなどが挙げられますが、実は、加齢などによる胃の働きの低下も、便秘に大きく関係しています。
「消化・吸収」には腸活よりも、まず胃活
私たちが食べたものは、口から食道へ、食道から胃へ送られ、ある程度消化されたうえで腸へ送られて消化・吸収されますが、胃の働きが弱く、十分に消化が行われないと、腸の負担が大きくなり、腸内に消化しきれなかった食べものが長くとどまるようになって、腸内環境を悪化させます。
腸内環境が悪化すると、便がうまく運ばれなくなるため、便秘が起こりやすくなってしまうのです。