共通テスト「情報I」、国立大3校が「配点しない」…25年実施新科目の扱いに差

 2025年1月実施の大学入学共通テストから出題が始まる新科目「情報I」について、国立大学82校のうち、少なくとも3校が、受験必須科目としながら、得点は成績に含めない方針であることがわかった。合否判定や受験生への影響が見通せないことなどが理由で、情報Iだけ配点を減らす大学も広がっている。
国立大は基本的に、共通テストと個別試験(2次試験)の得点を合算し、合否を判定する。国立大学協会は昨年1月、国語や数学など5教科7科目を課すとしていた共通テストについて、25年からは情報Iを加えた6教科8科目を「原則とする」と申し合わせた。実際の受験科目や配点は各大学の裁量に委ねられている。文部科学省は、22年度内に情報Iを課すかどうかの方針公表を求めていた。

 本紙が昨年12月末までに各大学に確認したところ、82校のうち東京大や京都大など66校は一般入試で情報Iを「課す」と公表していた。配点方針も明らかにした12校のうち、北海道大、徳島大、香川大は「配点しない」とした。北大の入試担当者は「現役生と浪人生の間にどのような差が生まれるか不明瞭なこともあり、導入初年次は慎重に扱うべきだと判断した」としている。

 宮城教育大は全専攻で100点満点を50点、九州工業大も20~25点に換算して合否判定に使うとした。

 一橋大など16校は「今年度中に決定」などとしており、全入試枠で「課さない」とした国立大はなかった。

 ◆情報I=高校で2003年度から始まった教科「情報」の必修科目。現在の1年生から新設された。授業は週2コマで、コンピューターへの命令方法やデータ分析の基礎などを学ぶ。発展的な内容の「情報2」は選択科目。
https://news.yahoo.co.jp/articles/59f3e4999a7cdea243c46574f4b9aa1c4b29815b