陸上自衛隊の水陸機動団(相浦駐屯地・長崎県佐世保市)の1等陸曹の男性が10日、長崎市内で会見を開き、上司から休職を強要されるなどのパワハラを受けた、と明らかにした。「ゆがんだ団の現状を広く社会に告発する」と話し、謝罪と名誉回復を求めている。

会見したのは、同団通信中隊の40代の1曹。1曹の説明によると、2021年11月、自殺未遂で入院していた同中隊の3等陸曹が死亡。部内の調査で、この3曹が自殺を図る前、上司の陸曹長から、精神状態に関するアンケートを書き換えさせられるなどのパワハラを受けていた経緯が発覚した。団は「(パワハラと3曹の)自殺との間に因果関係はない」としているが、陸曹長は11月9日付で役職を解かれた。

1曹自身はこの件に関与していなかったにもかかわらず、上司の中隊長から「17日間休職するよう強いられた」と訴えている。その後、これとは別に、駐屯地内で食事の支給申請をしていないのに食べたとして、警務隊による「取り調べを受けた」と主張した。

1曹によると、支給申請をしていない隊員が残飯として廃棄される食事を食べる「残飯喫食」は、「上司の指示のもとで部内で日常的に行われていた」という。駐屯地内の複数の隊で、実際に食べられた食事数が申請数を上回っていることが内部データでも確認されている、とも主張している。

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