【独自】ゲレンデで転んだら「119番」に自動通報…最新iPhoneで多発 長野県

 最新のスマートフォンやスマートウオッチ(腕時計型端末)などが意図せず作動し、誤って119番通報されてしまう事例が相次いでいることが10日、長野県内の全13消防局・消防本部への取材で分かった。衝突や転落を検出し、自動で通報する機能があるためで、多くがスキー場からだった。統計を取っている七つの消防局・消防本部では誤通報が昨年9月~今月10日に少なくとも276件に上り、他の六つでも事例があった。

 県内での誤通報は米アップル社の最新のiPhone(アイフォーン)やアップルウオッチで主に起きている。同社ホームページによると、端末が事故などで激しい衝撃を検出すると「衝突事故に巻き込まれた可能性があるようです」などと通知を表示し、警告音を鳴らす。20秒間反応がないと自動通報するが、設定で停止することもできる。

 こうした機能は持ち主の命をつなぐ可能性がある一方、誤通報が消防にとって初動対応の負担となる。各消防局・消防本部の担当者は「誤って作動してしまった場合は電話を切らずに間違って通報したと伝えてほしい」などと呼びかける。

 多くのスキー場を抱える大北地域を管轄する北アルプス広域消防本部(大町市)は、昨年12月16日から誤通報の統計を取り、今月10日までに95件を確認した。ほとんどが北安曇郡白馬村、小谷村のスキー場からだった。連絡が取れた持ち主に聞くと、スキーやスノーボードでの転倒が発信の原因とみられた。

 一部は電話番号の桁数が多いなど外国人とみられ、折り返しの連絡ができない場合もある。「救急要請か間違いか分からず困る」といい、できる限り折り返しをするが、電話に出ない人や切ってしまう人も一定数いるという。

 中野市と下高井郡山ノ内町を管轄する岳南広域消防本部は、同町の志賀高原の一部スキー場が営業開始後の昨年11月19日から統計を開始。今月9日までに最新のアイフォーンやアップルウオッチからの誤通報を52件確認し、1件を除く全てがスキー場からだった。連絡が取れなかった1~2割については、スキー場のパトロール隊や警察に伝えるなどした。
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