「卵パック10個→8個」影響も… 鳥インフル 広島県で殺処分 150万羽超 卵の出荷どうなる
店を訪れた人たち
「少ないと思いますよ」
「だいじょうぶなんかなと心配しています」
広島市安佐南区にあるJAの直売所の卵売り場です。商品棚は欠品が相次いでいました。
JA全農ひろしま とれたて元気市広島店
河野誠志 店長
「年が明けてからですね。数量制限であったり、製造を中止してるってことで、欠品が増えている状況です」
主な仕入れ先であるJAの出荷工場からの入荷は7割程度減っているといいます。
出荷を制限されていない地域の農家からの卵を加えても入荷量は通常の半分程度です。
10日も東広島市黒瀬町の農家などから卵が入り、お客さんが買い求めていました。
河野誠志 店長
「『だいじょうぶですか?』という声は来ていますけれど、その都度、『安心ですよ』っていう話はさせてもらっています。できる限りのことはして、生産者含めて声かけをして、卵が切れないようにとは思っています」
品薄状態が続く中、価格も上がっています。JAの出荷担当者に話を聞きました。
JA全農ひろしま 鶏卵課 三谿洋一さん
「今シーズンの発生前、(去年)10月と比べて約13%程度、相場が上昇しています。4月くらいまでは非常にリスクの高い期間とみているので、まだまだ気の抜けない状況かなとみています」
殺処分されたニワトリの数だけ卵の生産量が減るため、広島県内産の卵はおよそ16%減る計算です。
JAでは仮にこれ以上、感染が広がらなくても、影響は半年以上続くとみています。
JA全農ひろしま 鶏卵課 三谿洋一さん
「発生農場の飼育していたニワトリは全て処分されてしまうので、新しくヒナを購入して卵を産み始めて、元に戻るまでには半年から1年程度、期間が必要だと思います。当面、品薄感が強いので、高値傾向が継続すると思います」
― JA全農ひろしまによりますと、品不足なら、ほかの県から仕入れる方法もあるが、今回の鳥インフルエンザは全国的に発生しているので、それは難しいということです。
今シーズン、鳥インフルエンザが全国的に拡大していることで、大量の卵を仕入れる企業からも長期的な供給不足を心配する声があがっています。
末川徹 記者
「午前8時過ぎです。こちらでは、広島市や大竹市に向け、商品を発送する準備が行われています。配達票を見てみると、これだけ卵の種類があります」
広島市佐伯区の「グリーンコープひろしま」です。11日朝は、およそ700パックの卵が積み込まれました。
グリーンコープひろしま 金築英司さん
「ふだんは10個パックで届けているが、今は収量が不足していて、8個で届けています」
去年12月、グリーンコープが契約している福岡県の生産農場で鳥インフルエンザが確認され、4万羽が殺処分されました。
グリーンコープひろしまは、山口の農場から卵を仕入れていますが、九州の不足分もまかなわないといけないため、広島分も数を減らすことを決めました。
さらに…。
グリーンコープひろしま 金築英司さん
「卵を予約するシステムがあって、毎週・毎回、必要だから予約されるので、来週から、そこを優先的に商品を切り替えさせていただいて…。(自由)注文されている人の10個販売はお届けしない」
卵の配達を「予約」した人については、「10個販売」に戻すことを決めましたが、そのつど頼む「自由注文」は、受け付けをやめました。
金築英司さん
― 現場の声は厳しい?
「お届けしたときに、『卵きてないの?』など、注文したのに届かないことが考えられるので、組合員にていねいに説明していくことや、状況を了承してもらうしかない」
鳥インフルエンザが発生した農場の再開は、現時点でめどが立っていないため、こうした緊急措置が今後も続くということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/65a95c8c099dc9331937f875975ee9799df5aef8