ウソみたいな話ですが、リタイアまでの資産目標、
現在の「老後に2,000万円」は、20年後には「老後に4,382万円」に上方修正をかけておく必要がある、というわけです。

そうなると、「運用収益確保」だけで解決する問題ではなく、もう一つの資産形成上の課題にも向き合う必要があります。
それは「定期拠出額の増額」という検討です。

物価が上昇した分、毎月の積立額を増額しておけば、運用に依存する分は縮小します。

仮に「20年間、毎月一万円の積立投資」モデルと「20年間、スタートは月一万円だが、毎年4%ずつ積立額を増額した積立投資」というモデルを作ってみます。
2年目は月1万400円、3年目は月1万816円……と増やしていくのですが、なんと20年後の毎月積立額は月2万1,068円まで増えています。

どちらも、物価上昇(4%)に運用はプラス3%稼げたとして、20年後の積立額を計算してみると521万円vs693万円、という結果になりました。

定期拠出額を増額しなかったモデルは、拠出累計240万円が運用成績を乗せて521万円と倍増しているので、かなりうれしい数字のように見えます
しかし、インフレの影響を割り引くと実は十分ではありません。

これに対して、インフレ見合いで毎月の掛金を増やしたモデルのほうは、20%ほど資産を大きく増やすことに成功したことが分かります。

ただし、この話は簡単ではありません。毎月の拠出額を増額させるのはそう簡単ではないからです。

目の前の生活を考えれば、物価上昇分、家計の負担が増えているわけですから、拠出額の据え置きだけでも苦しく、むしろ減額をしたい状況です。
2023年春に賃上げが物価上昇率をカバーしてくれればなんとかなるかもしれませんが、いずれにせよ厳しい拠出環境であることは間違いありません。

しかし、「老後に4,382万円」のようなことを考えていくためには、拠出額の増額を考える必要があります。
運用で増えた分の何割かは「実質的な価値の維持」で消えてしまうからです。

https://news.infoseek.co.jp/article/toushiru_40140/?tpgnr=busi-econ