怪しげな「名ばかり管理職」-米企業、5300億円の残業代支給逃れか
マネジャーや給料が一定基準上回る従業員は時間外手当の支給対象外
マネジメントの職務が実際には含まれない管理職の求人が485%急増
米国では「ディレクター・オブ・ファーストインプレッションズ(第一印象ディレクター)」や「リード・シャワードア・インストーラー(シャワードア筆頭設置担当者)」といった怪しげな肩書を企業が考案し、約40億ドル(約5300億円)もの時間外手当の支払いを逃れていることが、最新の調査報告で明らかになった。
米公正労働基準法(FLSA)では、マネジャーや給料が一定の基準を上回る従業員は、時間外手当の支給義務の対象外という規定があり、法の目をかいくぐる曖昧な肩書を与える慣行が、小売りや飲食業界で普通に横行しているという。
全米経済研究所(NBER)が公表した調査報告によれば、2010年から18年の間で、マネジメントの職務が実際に含まれることがめったにない怪しげな管理職の求人が485%急増した。このような慣行の下で企業は1億5100万時間余りの勤務時間について時間外手当の支給を免れており、勤労者側の損失は推定40億ドル相当に上る。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-11/ROAVZ8T0AFB501