文部科学省の全国学力・学習状況調査で、英語の学習(勉強)が好きと答えた小学6年生が減っている。2013年度は「そう思わない」と「どちらかといえば、そう思わない」の合計が23.7%だったが、21年度は31.5%になった(下のグラフ)。外国語教育が専門の菅正隆・大阪城南女子短大学長は「8ポイント近くも増えたことは驚きだった」と言う。

小学校では11年度から、5、6年生の「外国語活動」が始まった。さらに、20年度からは外国語活動が3、4年生に引き下げられ、5、6年生は教科としての「外国語」(英語)を学ぶことになった。菅さんは文科省の教科調査官として11年度から実施された学習指導要領の改訂に携わった。「この改訂でも英語を教科化しようという動きはあったが、英語に慣れ親しむための『活動』にとどめた。教科になるとテストがあり評価もつくなど、中学の授業の前倒しになってしまう。これが、英語嫌いの小学生を増やしてしまったのではないか」

慶応義塾大の大津由紀雄名誉教授(言語学)も、教科化が影響したとみる。「忙しい小学校の先生が独自に努力せざるを得ず、その分、ばらつきが出てきてしまっている」と話す。

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