コロナ弱毒化、「5類」移行の時機探る…首相周辺「危険な変異株入ってくれば吹っ飛ぶ」
「5類の話は、中国の感染状況をしっかりと見極めてから考えよう」
昨年12月28日、首相官邸5階の執務室。新型コロナの感染症法上の分類見直しについて、加藤厚生労働相から説明を受けた岸田首相は、結論は急がず慎重に検討を進めるよう指示した。中国の感染急拡大が懸念材料だった。第8波の行方も注視する必要があった。
執務室には、後藤経済再生相や厚労省幹部らも集まった。加藤氏が首相に示したのは、現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げた場合の、様々な課題をまとめた資料。議論は水面下で続ける方針が確認され、加藤氏が「引き下げ時期は様子を見ながら考えていきます」と説明すると、首相は「頼む」とうなずいた。
政権幹部は、中国当局が発表する感染情報は過少だとの疑念を抱いている。特に警戒するのは、危険な変異株が公表されないまま日本に流入するリスクだ。当時、中国本土の12月1~20日の感染者数が2億4800万人に上った可能性があると香港紙が報じていた。
首相周辺は「危険な変異株が入ってくれば5類の話は吹っ飛ぶ」と語る。
政府内では昨年の第7波収束後、5類に移行する案が浮上した。だが、中国の感染が急拡大し、今月11日には国内で1日の死者が初めて500人を超え、検討はペースダウンしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/67cb7285163a5906039c03b4cc86f6cc271bb58a?page=1