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石炭安く調達求める 電気代値上げ圧縮へ経産省審査方針

経済産業省は11日、大手電力5社が申請した電気料金の値上げの内容を審査する会合を開いた。火力発電の燃料となる石炭の調達費用を下げるよう求める方針を示した。輸入する国や種類を変えるといった効率化努力を促し、値上げ幅の圧縮をめざす。

電力・ガス取引監視等委員会が料金制度専門会合を開いた。審査対象は経産省の認可が必要な「規制料金」の値上げで、いずれも2023年4月から平均で東北電力は32.94%、北陸電力は45.84%、中国電力は31.33%、四国電力は28.08%、沖縄電力は43.81%の値上げを申請している。委員会で22年度中をメドに値上げ幅を固める。

値上げの主因は火力の燃料に使う石炭と液化天然ガス(LNG)の高騰にある。経産省は11日の会合で、オーストラリアから輸入する石炭の単価が米国より1.7倍高いといった統計資料を示した。

単価の安い国からの調達拡大などを通じ、5社が値上げ幅の根拠として見積もった石炭の調達費用の圧縮を促す。LNGの調達費用についても、ほかの電力会社の取り組みを踏まえた効率化を求める。

人件費も効率化を要請する方針だ。21年度の時間外手当が大手電力10社の平均で1人あたり81万円だったことを受け、平均を超えている中国電力と北陸電力の手当を査定の対象とするか検討する。