10年にわたる企業の合併・買収(M&A)ブームがしぼみ、ウォール街の銀行とプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社は苦しい1年間に直面しそうだ。
利益1兆ドル(約129兆円)の獲得に貢献した大規模な買収を次々と推進した後、世界の大手銀行の中には、安いマネー時代の終盤に引き受けたレバレッジドバイアウト(LBO)向け負債で大きな評価損を計上しなければならないところも出た。業界の専門家やブルームバーグの計算によると、イーロン・マスク氏によるツイッター買収は特に痛みをもたらし、モルガン・スタンレー主導の銀行団は推定40億ドルの含み損を抱えることになった。
予想されるリセッション(景気後退)が迫る中、レバレッジドファイナンスという手数料の高いビジネスで容易に稼げた日々はすぐには戻ってこない。ゴールドマン・サックス・グループやクレディ・スイス・グループなどが収益の落ち込みに直面しており、投資銀行業界全体でボーナスや雇用の削減が行われることになる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-15/ROEDH7T0G1KW01