東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に対する贈賄の罪で起訴され、捜査段階から一貫して不正を否定していた広告大手ADKホールディングスの前社長が、裁判では一転して起訴された内容を認める方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。
広告大手ADKホールディングスの前社長、植野伸一被告(68)は、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の元理事、高橋治之被告(78)にADK側がスポンサーの契約業務などで便宜を受けたことへの謝礼などとして、総額およそ1400万円の賄賂を提供した贈賄の罪で、去年11月に起訴されました。
関係者によりますと植野前社長は「賄賂ではなく、スポーツ事業のコンサルタント料として正当な支払いだった」として捜査段階から一貫して不正を否定していました。
しかし、裁判では一転して、「元理事への謝礼の趣旨が含まれていた」として起訴された内容を認める方針を固めたということです。
今月、2度目の保釈請求が裁判所に退けられ、去年10月の逮捕以降、勾留がおよそ3か月に及んでいることも前社長の判断に影響を与えたものとみられます。
関係者によりますと植野前社長の初公判は、来月中旬に開かれる見通しです。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230118/1000088657.html