アメリカの川や湖で捕獲された淡水魚1匹を食べると、有毒な化学物質で汚染された水を1カ月分飲む場合と同量の化学物質を摂取してしまうという研究結果が、アメリカ・デューク大学のナディア・バーボ氏らの研究チームによって発表されました。

研究チームによると、淡水魚を1匹食べた場合に摂取するPFOSの量は、汚染された飲料水1カ月分に匹敵するそうです。また、研究チームは野生の淡水魚の総PFAS汚染レベルは、アメリカ食品医薬品局(FDA)が検査した養殖魚のPFASレベルの約278倍だったことを報告しています。

研究チームのデビッド・アンドリュース氏は「この結果から、タンパク質摂取の手段として、または社会的、文化的要因で魚を消費するコミュニティへの影響が懸念されます」と述べています。また、「PFASを製造および使用した企業は地球を汚染しているにもかかわらず、その責任を問われていません」と指摘し、PFASの不要な使用を避けるために、より厳格な規制を求めています。

イギリスのリヴァプール・ジョン・ムーアズ大学のパトリック・バーン氏はPFASについて「おそらく21世紀に人類が直面している最大の科学的な脅威です」と指摘しています。また、「この研究はPFASが魚から人間へ直接移動したことを示す証拠となり得るため、非常に重要です」と述べています。

https://gigazine.net/news/20230119-america-fish-pollution/