イギリスのロンドン警視庁の警察官が24件の性的暴行をしていたとしてロンドン警視庁はこの警察官を懲戒免職にするとともに、これまでに性的虐待などの申し立てが寄せられた現職の警察官およそ800人を対象に大規模な調査を進めていることを明らかにしました。

ロンドン警視庁の警察官として議会の警備などにあたってきたデービッド・キャリック被告(48)は、おととし性的暴行の疑いで逮捕され、16日までの裁判で、18年間で行った24件の性的暴行や監禁など合わせて49件の罪を認めました。

被告をめぐってはたびたび暴行やDV=ドメスティック・バイオレンスの情報提供があり、ロンドン警視庁が聞き取りをしたものの処分の対象にならず、警察官としての立場を悪用していたということです。

ロウリー警視総監は17日、「われわれはロンドン市民を失望させてしまった。長年にわたって、被告を警察官の職務から外す機会を逃し続けてきた」と謝罪し、キャリック被告を懲戒免職の処分にしたことを明らかにしました。

また、性的虐待やDVなどの申し立てが寄せられている現職の警察官がおよそ800人に上るとしたうえで、再発防止に向けて大規模な調査を進めているとしています。

イギリスではおととし、警察官が帰宅途中の女性を暴行して殺害した罪で終身刑を言い渡されるなど、警察に対する国民の信頼が大きく揺らぐ事態になっています。

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