難航した安倍晋三元首相の後継選び 動いた昭恵氏、自.民公募に市議ら

安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区の補欠選挙をめぐり、自.民党の公認候補を選ぶ党県連の公募が19日に締め切られた。複数の応募があったが、安倍後援会が推す下関市議の吉田真次氏(38)が最有力だ。後継探しは、自民党本部が後援会に「丸投げ」し、後援会は「安倍」の名を残すことにこだわったが断念。最後は妻・昭恵氏が自ら動くなど難航を極めた。

党県連関係者によると、19日までに吉田氏を含む複数からの応募があり、今後、県連幹部との面接を経て1月末に公認候補を決める予定だ。

最有力は、安倍後援会が出馬を要請した吉田氏だ。大阪府議の秘書から2011年に下関市議に初当選し、現在3期目。安倍氏に近い市議でつくる会派「創世下関」の会長を務める。ただ、後援会幹部の間でもほぼ無名の存在だったという。

後援会にとって、本命候補は昭恵氏だった。「身内から出れば『安倍』の旗を掲げられ、応援する方も結束できる」と後援会幹部は語る。後援会は2度にわたり昭恵氏に立候補を打診したが、固辞された。昨年7月下旬の安倍派の会合でも、昭恵氏は立候補しない考えを明確に示していた。

安倍氏が亡くなった直後には、母の洋子氏(94)が「後継者は孫がいい」と安倍派の幹部らに語ったとされる。

「孫」として、まず安倍氏の兄・寛信氏の長男が取りざたされたが、立候補の意向がなく、後援会としても打診できなかった。

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