自衛官の男の携帯に「被害女性宅襲撃計画」 関東の緊縛強盗、同一グループの犯行か
2023/1/20 21:27

東京都狛江市の住宅で大塩衣与(きぬよ)さん(90)が遺体で見つかった強盗殺人事件で、千葉県警が別の強盗傷害事件で逮捕した自衛官の男の携帯電話に、この住宅への強盗を計画する記録が残されていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。関東地方では数人の男らによる緊縛強盗事件が続発しており、各警察が関与したとみられる男らを逮捕していたことも判明。同一グループの犯行の可能性もあるとみて、警視庁調布署捜査本部は、大塩さんの事件との関連を調べている。

捜査関係者によると、今月12日に千葉県大網白里市のリサイクルショップであった強盗傷害事件で、千葉県警は20代の自衛官の男を逮捕し、携帯電話を解析。大塩さんの住所のほか、近く強盗に入るとする趣旨の記録が残されていた。

県警は19日午後2時46分ごろ、警視庁に「(大塩さん方が)強盗に狙われているのではないか」とする情報を提供。警視庁の警察官が19日午後5時12分に住宅を訪れ、帰宅した家族とともに室内を確認し、地下1階の床に両手首を結束バンドで縛られて倒れていた大塩さんを見つけた。

捜査本部によると、大塩さんは頭から出血。ひじの骨折や皮膚がはがれる外傷も確認されたという。住宅は地上2階、地下1階建てで、広範囲で物色された形跡もあった。同居する息子夫婦と孫2人が朝、仕事に出て以降、大塩さんは少し外出した以外は1人で自宅にいたとみられている。

今年に入り、住民や店主らが緊縛される強盗事件や手口が似た窃盗事件が千葉や茨城、神奈川で相次いでいる。一方、事件に関与しているとみられる人物も複数逮捕されている。千葉県警が大網白里の事件の関連で男を逮捕したほか、警視庁も今月17~18日、昨年12月に東京・渋谷の店舗で起きた貴金属窃盗の疑いで19歳の男3人を相次いで逮捕していたことも判明。警視庁は、この3人も一連の緊縛強盗事件に関与していた可能性があるとみている。

大塩さんの事件も、縛られて暴行を受けるなど一連の事件の状況と酷似しており、調布署捜査本部は、同一グループ内の、これまでに逮捕された男ら以外のメンバーによる犯行も視野に調べを進めている。

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