密約が存在するのか?台湾有事になぜか「自動的」に参戦させられる自衛隊

アメリカ有数の安全保障に関するシンクタンクである「CSIS」(戦略国際問題研究所)が中国による台湾侵攻に関するレポート“The First Battle of the Next War: Wargaming a Chinese Invasion of Taiwan”を公開した。

このレポートにおいては、たとえ米軍と自衛隊の支援によって中国軍が台湾占領という目的を達成できない場合でも、台湾軍はもとより米軍と自衛隊も極めて大きな犠牲を強いられる結果となっている。

■ 質的損害は日米のほうが深刻

 このレポートは、中国軍の台湾侵攻を想定したウォーゲーム(注)の結果をまとめたものである。

 (注)ウォーゲーム:図上演習、軍事シミュレーション。厳密にはウォーゲームとシミュレーションは若干の相違点がある。日本では娯楽目的のウォーゲームが普及しているため、以下「シミュレーション」と称す。
 今回のシミュレーションは条件を変えつつ24通りのシナリオに基づいて実施されている。基本的なシナリオでは、台湾軍を支援する米軍・自衛隊側が中国軍をなんとか撃退するものの、米空軍・海軍・海兵隊は270機の航空機を喪失し、自衛隊は112機の航空機を喪失する。日米両軍の損害に対して、中国軍が失う航空機は155機となっている。

 同じく基本的シナリオにおいて、米海軍は戦闘艦17隻(内2隻は航空母艦)を喪失し、海上自衛隊は26隻の戦闘艦を喪失する。これに対して中国側は138隻の艦艇を失う結果となっているが、そのうちの86隻は上陸揚陸用船艇であり、水上戦闘艦艇の損失は52隻ということになる。

 ただし、日米側が失う水上戦闘艦43隻は空母、駆逐艦、フリゲートといった大型艦や中型艦であるのに対して、中国側は多数のミサイル艇やコルベットといった小型艦艇を投入するため、質的損害は日米側のほうが深刻と考えざるを得ない。

 このように日米両軍は多大な犠牲を払い、台湾海軍と台湾空軍はほぼすべての艦艇・航空機を失うことになる。一方で、侵攻する側の中国軍は、14日間をかけて台湾沿岸地域の数地点、合わせて2600平方キロメートルの領域を支配できるだけで、中国共産党政府の台湾占領という目標を達成することには失敗する、という結果に終わっている。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/46a17e066bfa0d7cf12503fa2330fd755db63308