2019年8月、科学誌「Psychology of Music」に掲載された論文によると、被験者379人を対象にそれぞれの性格と、音楽や映画の好みを照合する調査を行ったところ、研究者らも驚愕のショッキングな真実が明らかになったという。

 内向的な人物は、騒がしい音楽や刺激の強い映画を好まないという予想通りの結果が出た一方で、サイコパス的な性質を持つ人々は、意外にもカントリー音楽やゴスペルといった保守的な音楽を好む傾向にあることが判明。この研究結果は、”宗教的な音楽を好むことは望ましいことであり、健康な精神を持つ証である”という伝統的な価値観を覆すものとして、 世間に大きな衝撃を与えた。

サイコパスの音楽の好みが最新の研究で判明した。予想外の結果に研究者も驚愕しているという。

極めて引きこもりがちな人は、音楽ではエネルギッシュ、アップビート、パーティーミュージック(リズミカル)は好まず、映画ではスリルホラーなど激しい、刺激の強い映画は好まない、という結果は予想通りだったが、問題はサイコパス的な性格を持つ人々の好みだ。

 意外なことに、これまでの研究とは異なり、ヘビーメタル、パンク、オルタナティブロック、ヒップホップなど“問題のある”音楽ジャンルは、パーソナリティ障害と関係ないことがわかった。研究者らによると、これらの音楽ジャンルはすでに主流派としての地位を獲得しているため、反動性が弱まっているのではないかとのことだ。

 研究者らを驚かせたのは次の発見だ。神経症・敵意・常軌を逸した性格の人物は、カントリー音楽やゴスペルなど保守的な音楽を好む傾向にあったのである。歴史的に宗教的な音楽を好むことは望ましいことであり、健康な精神を持つ証だとされてきたため、ショッキングな結果だと研究者は語っている。

 サイコパスは「大胆さ(boldness)」、「脱抑制(disinhibition)」、「卑劣さ(meanness)」の3つに特徴づけられる。今回の研究では、このうち大胆さはR&Bやパーティー音楽などリズミカルな音楽に対応しており、先行研究と同じ結果だったが、脱抑制・卑劣さは激しい音楽や反動的な音楽との相関がなかった。また、サイコパス的な特徴の人物がホラー映画を好むということもなかったそうだ。ということは、あなたがヘビメタやレイブを好きなら、とりあえずサイコパスではないかもしれない。ただ、音楽と性格の相関関係は診断推論に使えるレベルではないため、これを使ってサイコパス探しをすることは控えるべきとのことだ。https://tocana.jp/2023/01/post_245934_entry.html