https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD264WS0W1A820C2000000/

フジロック 2年分の思いぶつける熱演をリポート

2年ぶりの「フジロックフェスティバル」(8月20〜22日、新潟県湯沢町)は新型コロナウイルス感染症の流行を受け、同フェス史上初めて海外アーティストの招請を断念し国内勢だけで開かれた。いつもより大きなステージを任せられたアーティストたちは、2年分の思いをぶつける熱演を見せた。写真と共に振り返る。

スピンオフ四人囃子(フィールド・オブ・ヘブン)

初日の昼、足を運んだのは小ぶりのステージ「フィールド・オブ・ヘブン」に登場した「スピンオフ四人囃子」だ。1974年にデビューしたプログレッシブ・ロックバンド「四人囃子」を、彼らに影響を受けたと公言するミュージシャンらがカバーした。ボーカルはスターダスト☆レビューの根本要。実験的な曲も、根本が歌うとどこか親しみやすさを感じさせる。きらびやかで祝祭的な音や超絶技巧の変拍子は、今聴いても新鮮だ。

くるり(グリーンステージ)

次に向かったのは最大のグリーンステージの「くるり」。岸田繁のわびさびを感じさせる声が、トンボが飛び交う野外会場にぴったりだ。朝から炎天が続いていたが、涼やかで力の抜けた演奏に誘われるかのように、風が抜ける。シンプルなのに情緒豊かな歌が気持ちいい。