30年以上にわたって自室に引きこもっていた。同居の両親とも関わりを避け、DVDや漫画を見続ける毎日。
苦手だった父が認知症になった。話しかけられることが増え、ストレスがたまっていく。
ある夜、うっぷんが爆発して電気コードを父の首に巻き付けた。その様子を母が後ろから見ていた――。
福岡市の住宅街にある自宅で、父親(当時88)と母親(同87)を殺害したとして、次男の被告(61)が起訴された。
昨年12月、裁判員裁判が福岡地裁で始まった。
大学を中退後、定職に就かずに実家で引きこもっていた被告。両親を殺害するまでに何があったのか。裁判でのやりとりから経緯をたどる。
12月14日の初公判。貸与された緑色の服を着て、裸足にサンダルを履いた被告は認否を問われ、「間違いないです」とはっきりした声で答えた。
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