SNSで炎上、ゲームに課金…トラブル防げ 西宮・小学生に啓発授業
https://mainichi.jp/articles/20230125/k00/00m/040/155000c
自分専用のスマートフォンやキッズケータイを持つ時期の低年齢化が進む中、兵庫県西宮市の津門小学校で、ネットトラブルを防ぐための授業があった。動画投稿サイトやゲーム、SNSで起こるトラブルで、子どもたちが怖くなって悲鳴を上げた事例とは――。
同校はネットトラブルが増える中学生になる前の教育が重要と捉え、県警による講演会や道徳の授業でトラブルについて学んできた。今回の授業はKDDIが提供する啓発動画を活用し、5、6年生を対象に2022年12月に実施された。
1本目は、ネット上で人気の女性を中傷する動画を投稿していた男の子が「炎上」するエピソード。クラスメートに住所や顔写真などを暴露され、引っ越さざるを得なくなる。
鑑賞後に講師が「何が問題だった?」と質問すると、子どもたちは「個人情報を流したこと」などと指摘。講師は「匿名で顔も出さなければ『自分と分かるはずがない』と思ってエスカレートしやすい。投稿前に冷静になろう」と呼びかけた。
2本目は、オンラインゲームにのめりこみ、課金したり日常生活に支障が出たりしたケース。ゲーム依存のチェックリストを紹介し、使用時間を制限する設定の活用などを勧めた。
3本目は、SNSで「学校がつらい」とつぶやいた女の子が、オンライン上で共感してくれた男の子と仲良くなる話。実際は偽の顔写真を使った成人男性で、女の子は脅され、自宅を突き止められる。講師は「知らない人とやり取りせず、怪しいと思ったらメッセージを保存して証拠を残そう」とアドバイスした。
子どもたちは、成人男性が女の子の自宅前からメッセージを送る場面を見て「ギャーッ」と悲鳴を上げた。
大坪司さん(11)は「男の人が家まで来るのが怖かった」と驚き、酒井海凛(かいりん)さん(10)は「SNSでの交流は友人と家族だけにしている」と対策を話した。
1カ月前からスマホを持つ岩槻碧人さん(11)は「使い過ぎや変なサイトに気を付ける」、川香鈴(かりん)さん(11)は「自分もゲーム依存にならないとは言い切れない」と気を引き締めていた。