タワーマンションの建設ラッシュなどで人口が増え続けている地域で、約3700人の児童や生徒が通う全国最大規模の小中一貫の義務教育学校の新設計画が進んでいる。
校舎も1~4年生と5~9年生(中3)で分割。全国でも珍しい公立の大規模校が、2028年度に誕生する見通しだ。
ただ、課題もある。
「エリアによっては開校時に転校しなければならなくなるのか」「運動会や入学式、卒業式などの学校行事はどうなるのか」
昨年末、さいたま市教育委員会が新設校の学区で開いた説明会。保護者からはこんな質問が次々と出た。
新設計画があるのは、JR武蔵浦和駅(さいたま市南区)周辺だ。小中学校は以前から過密状態が指摘されており、特に浦和別所小や内谷中では生徒・児童1人あたりの校庭面積が市平均の27%しかなく、規模の適正化が課題だった。
駅前には現在もマンションが建設されており、人口増が予想されている。市教委による児童生徒数の予測では、27年度までにこの地域で小学校1校、数年後には中学校1校を新設しなければならない規模になるという。
市教委は様々な案を検討した。
既存校の敷地内での校舎増築は1人あたりの校庭面積がさらに狭くなるため、不適と判断。新設校の用地を民間から新たに買い取る案は、多額の費用がかかり、地権者との交渉が長期化することも予想されるため、現実的には難しいと判断したという。
そこで浮上したのが、3校舎に分割した義務教育学校の新設案だ。
市教委の整備計画によると、新設校は武蔵浦和駅西側につくる。学区は現在の沼影小・浦和大里小の全区域と浦和別所小・辻小の一部区域、内谷中・白幡中の一部区域になる見通しだ。
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