日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト最新作
14カ所めの公共トイレが北参道に完成、〈Apple Watch〉を手がけたマーク・ニューソン氏がデザイン
日本財団が中心となり、東京・渋谷区内で進められている「THE TOKYO TOILET」プロジェクト[*1]における最新のトイレ(裏参道公衆トイレ)が、千駄ヶ⾕4丁目に設置されました。2023年1月20日の午後から供用を開始しています。
立地は、北参道交差点近く、首都高速道路4号新宿線の高架下。
トイレのデザインを担当したのは、オーストラリア出身で現在はロンドンを拠点とする工業デザイナーのマーク・ニューソン氏。
日本財団によれば、常設となる建築物を手掛けるのは今回が初めてとのこと。
日用品からジェット機までジャンルを超えた幅広い分野で活躍中。代表作に2014年〈Apple Watch〉のデザインなどがあり、クライアントとして、アップル(Apple)のほか、エルメス(Hermès)、ナイキ(NIKE)などともコラボレーションし。手がけた作品は世界各国の主要なデザインミュージアムがコレクション。2005年にはタイム誌の「世界で最も重要な100人」に選出されている。
デザインコンセプト
私のデザインは、銅製の「蓑甲(みのこ)屋根」をはじめとする日本の伝統的な建築の引用が中心となっています。トイレが賑やかで超近代的な場所にあっても、神社仏閣や茶室、農村部などによく見られるこの屋根のかたちが、潜在的に心地よさや安らぎを感じさせるものにしたいと思いました。銅のピラミッド型屋根の緑青は、時とともにこの建築物を街に溶け込ませ、東京を織りなす構造の一部となることでしょう。
屋根の銅が緑青をふいたとき、内部の淡いグリーンと相まっての姿が楽しみに待たれる公衆トイレです。
裏参道公衆トイレ 施設概要
クリエイター:マーク・ニューソン(Marc Newson)
ピクトサインデザイン:佐藤可士和(SAMURAI)
設計・施工:大和ハウス工業
レイアウト協力:TOTO
所在地:渋⾕区千駄ヶ⾕4丁目28-1
床面積(全体):35.62m²(ユニバーサルブース:4.90m² / 男性用トイレ:15.53m² / 女性用トイレ:12.34m² / 共有部:2/84m²)
供用開始:2023年1月20日(金)午後より
https://mag.tecture.jp/culture/20230121-81748/