43歳で認知症、人生終わりなの? 響いた息子の言葉「母さんは…」

ネット通販で同じ商品を翌日も買ってしまう。約束を忘れ、約束をしたこと自体の記憶がない――。

そんな自分の症状と認知症は、最初はまったく結びつかなかった。

更年期? うつ? 不安だけが募った。

さとうみきさん(47)にとって、気づきのきっかけは、テレビドラマだった。

主人公は、若年性アルツハイマー型認知症となった女性の医師。ドラマで描かれる主人公の経験と、自分自身の経験が重なり合った。

記憶力の簡易な検査をするシーンがあった。

心のなかで自分もやってみた。できなかった。録画を見返して試みても、同じだった。

「もの忘れ外来」のある東京都内のクリニックで受診した。若年性アルツハイマー型認知症と診断を受けた。

2019年1月、43歳だった。

若年性認知症になると、数年で寝たきりになる。そんな情報をインターネットで目にしたことがあった。

 「私の人生は終わるんだ、と感じました」

涙があふれた。

隣にいた夫に「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返した。

消えてしまいたい――。半年ほど、自宅に引きこもる日々が続いた。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR1N5KC7R16ULZU002.html?iref=sp_new_news_list_n