三菱電機は、2024年4月以降の入社者から応募・選考段階で職種や配属先を決める二つの新卒採用制度を新設する。「職種確約コース(事務系)」は人事・総務や財務といった事務系の配属先を入社前に決める同社で初めての制度。技術系の難易度が高い職種を厚く処遇する「配属先指定リクルート制度PLUS(技術系)」では、1年目の年収を最大800万円程度とする。一連の施策で、専門性を追求する人材の適材適所の配置を強化する。



事務系向けの職種確約コースは、人事・総務、経理・財務、資材調達、法務・知的財産渉外が対象。技術系では90年代前半に導入した配属先指定の制度が存在し、入社者の約9割を採用している。これに対し新制度は、人工知能(AI)、データサイエンスなどの先端技術や希少な技術領域が対象で、学生の応募や挑戦を促す制度として追加する。

三菱電機は品質不正問題を受けて組織風土の改革に取り組んでおり、22年10月には社内異動制度を見直すなど、従業員の自律的なキャリア形成の支援を強化している。阿部恵成上席執行役員人事部長は「学生や従業員の就労観、キャリア観は年々多様化しており、一人ひとりに目を向けた人財マネジメントへの転換が急務」との認識を示す。

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