福岡県北九州市で「二十歳の記念式典」が開かれた1月8日、女性の振り袖に、墨汁とみられる液体がかけられる被害が続出。24日、器物損壊の容疑で逮捕されたのは、平井英康容疑者(33)だ。捜査関係者が語る。

(中略)

平井容疑者の逮捕に驚きを隠せないのは、彼が所属していた合唱団仲間のA氏だ。

「逮捕の3日前にも普通に練習に来て最前列で歌っていたので、一報を聞いたときは『まさか』と思いましたよ。そのときもふだんと変わらない様子で、1月末のコンサートに向けて熱心に練習していました。
本番前は自主練をしてくるような真面目な人でした。数年前、病気で入院したことがありましたが、そのときも『早く歌いたくてたまらない』と言っていたほどでした」

 大学でもコーラス部に所属し、高校では自ら部を立ち上げたほど、合唱に熱を入れていた平井容疑者。しかし、別の合唱仲間であるB氏は、彼の意外な一面を明かす。

「2019年のハロウィンパーティで、セーラー服に猫耳をつけて女装していた姿が印象に残っています。
SNSにも、『知り合いの子から女装しても似合うんじゃない?とハロウィンのコスプレで女装をしました笑』という文言に笑顔の絵文字をつけて、アプリで加工した写真を投稿していました。
同じ時期に、女装しているプリクラ写真もSNSで見たことがあります。彼は髪の毛を長く伸ばしていて、つやつやなんです。『きれいですね』と褒めたら、すごく嬉しそうにしていました」

 振り袖に墨汁とみられる液体をかけたとされる平井容疑者と、彼の女装遍歴。女装文化に詳しい明治大学非常勤講師の三橋順子氏は、今回、彼が取った行動に首をかしげる。

「一般論として、コアな女装者はそもそも女性のファッションに憧れているわけで、それを汚すという行為に走るのは理解しがたい。関係があったとしても、きわめてレアなケース。
『犯人は女装マニアで、趣味がねじ曲がってこの事件に発展したのではないか』という見方があるとすれば、女装文化研究者としては不本意です。私も過去40年ほど女装の世界を見てきましたが、今回のような事例はほかに思い当たりません」

 前出の合唱団仲間のA氏は、平井容疑者の動機について、彼の性格からこんな推測をする。

「合唱団にも20歳前後の女性はいますが、彼が仲よくしてるところは見たことがありません。交際相手もいなかったと思います。物静かで奥手な性格に見えました。
男性にも特段仲がいい人はいなかったんじゃないかな。振り袖という装いや成人式という晴れ舞台に、何かねたみに近い思いがあったのかもしれません…」

https://news.yahoo.co.jp/articles/636a54140ac4a9dd5af365c395987b08b2906f3a