GPIF収益率、20年ぶり4四半期連続赤字と推計-モルガンMUFG
収益率マイナス1.26%、赤字額は2兆5000億円程度と予想
「エンロン事件」の影響で世界的な株安だった2002年度以来
モルガン・スタンレーMUFG証券は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2022年10-12月(第3四半期)の運用収益率が4四半期連続のマイナスになったと推計している。4四半期連続の赤字となれば、2002年度以来20年ぶりとなる。GPIFは運用状況を2月3日に公表する。
モルガンMUFG・株式統括本部でエグゼクティブ・ディレクターを務める岩尾洋平氏の試算によると、10-12月の運用収益率はマイナス1.26%、赤字額は約2兆5000億円だった。
資産別では、外国債券がマイナス5.45%、国内債券はマイナス1.84%、外国株式はマイナス0.7%、国内株式はプラス3.26%と予想した。年金特別会計で管理する積立金を含む、年金積立金全体の資産額は12月末時点で194兆2000億円程度と見込んでいる。
モルガンMUFGは、リバランス(各資産配分の修正)を前提に推計しており、外債が1兆円の買い、外国株が1500億円の売り、国内債は8500億円の売りと想定した。
現在とは収益率の計算方法が異なるが、GPIFは02年度の第1四半期から第4四半期まで赤字運用となったことがある。当時は円高が進んだほか、巨額の不正会計問題を引き起こした米エネルギー取引会社エンロンが01年12月に破綻するなどした影響で、世界的な株価下落を招いた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-30/RP4SWWT0AFB401?srnd=cojp-v2-domestic