高浜原発4号機が異常検知し自動停止 中性子の急減を示す警報 「経年劣化は関係ない」と広報担当者
2023年1月30日 22時11分

 30日午後3時20分ごろ、関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)が自動停止した。原子炉内で中性子の量が急激に減ったことを示す警報が出た。原子炉は正常に冷却されており、周辺環境への影響は確認されていない。

 関電によると、原子炉容器の外側4カ所に設置された中性子検出器のうち2カ所以上で異常が検知された。同様の異常検知で原発が自動停止したのは、1988年の高浜3号機以来。関電が詳しい状況を調べている。

 県によると、中性子検出器の故障か制御棒落下などが原因の可能性があるという。今月26日、関電が中性子検出器の校正作業をした際は、異常はなかったとしている。

 高浜原発4号機は定期検査のため停止した後、昨年11月4日に原子炉を起動し運転を再開、12月1日から営業運転に入っていた。(共同)

◆運転開始から37年、トラブル相次ぐ

 自動停止した関西電力高浜原発4号機は運転開始から37年がたち、関電は原則40年とする運転期間を超えて20年間の延長運転を、原子力規制委員会に申請する方針。立地自治体の県や町の了承を得る手続き中だ。最近では、経年劣化が要因とみられるトラブルも相次ぐ。

 「これから調査する」「(どういう状況なのか)分からない」。30日夜、規制委で報道各社の取材に応じた関電の広報担当者は、自動停止の原因や当時の状況などについてほとんど説明できなかった。

 高浜4号機は2019年以降、原子炉とは別の蒸気発生器内に長年の運転で鉄さびがたまり、配管に当たって傷つけるトラブルが続発。これまでの定期点検で3回確認され、対処しても再発を繰り返している。

 今回の停止と、経年劣化との関係を問われた関電の広報担当者は「原因調査をしないと分からないが、高経年化(経年劣化)とは関係ないと考えている」と話した。(小野沢健太)

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