山上被告を2月にも追送検 教団施設へ試射容疑など

安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で、殺人罪などで起訴された山上徹也被告(42)について、奈良県警が、事件前日に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設に手製銃を試し撃ちしたとする建造物損壊容疑のほか、武器等製造法、火薬類取締法、銃刀法の各違反の疑いで2月中に追送検する方針を固めたことが31日、捜査関係者への取材で分かった。

県警はこれまでに山上被告宅などから作りかけを含む手製銃7丁や火薬類を押収。山上被告は火薬を自ら調合し、事件前日の昨年7月7日に奈良市の教団関連施設が入るビルに試し撃ちした疑いが持たれている。手製銃については、発射実験の結果などから銃刀法が規制する「拳銃等」にあたると判断した。

山上被告はこれまでの調べに、旧統一教会に入信した母親が教団に約1億円を献金したことで生活が困窮したと説明。教団への恨みを募らせ、「教団とつながりがある安倍氏を狙った」などと供述していた。

安倍氏は昨年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の路上で参院選の街頭演説中に銃撃されて死亡した。山上被告は殺人未遂容疑での現行犯逮捕後に殺人容疑で送検。銃刀法違反(発射、加重所持)の疑いでも追送検され、5カ月超の鑑定留置を経た今年1月13日に殺人と銃刀法違反の罪で起訴された。
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