関東など各地で相次いだ強盗事件を巡り、フィリピンで拘束されている男４人のうち渡辺優樹容疑者（３８）と交際していた日本人の３０歳代の女が、日本から多額の現金を持ち出し、渡辺容疑者に渡していたことが捜査関係者への取材でわかった。２０１９年３月から７か月間で日本とフィリピンを少なくとも７回行き来し、１度に現金２０００万円を渡したこともあったという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230201-OYT1T50188/
女は１９年１１月に高齢者からキャッシュカードを盗んだとする窃盗容疑で大阪府警に逮捕され、２０年１０月に１審・大阪地裁で懲役４年６月の実刑判決を言い渡されている。
捜査関係者や１審判決によると、女は１９年３月に「実業家」を名乗る渡辺容疑者とマニラで知り合い、交際を始めた。
渡辺容疑者のグループは、警察官などを装って高齢者らに電話で「口座が不正使用されている」などとウソを言う手口でカードをだまし取り、金融機関の口座から現金を引き出していたとされる。
女は交際直後から、グループのメンバーとやりとりし、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で偽名のアカウントを使って「受け子」や「出し子」を勧誘。１９年４月には２０００万円を渡辺容疑者に届けていた。
同年６月には、フィリピンから帰国した翌日に大阪に向かい、高齢者らから盗んだカードで引き出された現金の回収役から５４９万円を受け取り、東京で別の人物に手渡した。
公判で、女側は「関与は薄い」と主張したが、１審判決は「グループが犯罪収益を確実に回収することに貢献し、重要な役割を果たした」と判断した。
