“最強寒波”で農作物にも被害 有明海ノリ養殖深刻「過去にない」
平野部でも雪が積もるなど厳しい寒波に見舞われた1月下旬の熊本県では、強い冬型の気圧配置の影響で、有明海沿岸のノリの養殖施設で強風による深刻な被害が相次いだ。今季は当初、赤潮の影響で色落ちの被害が出るなど不作が懸念されたものの、回復傾向にある中で寒波に襲われ、漁協関係者からは落胆の声が上がっている。
熊本地方気象台によると、1月24日は宇城市三角町で最大瞬間風速が23・3メートル、玉名市岱明町で19・4メートルを観測。風で支柱が倒壊し、ノリ網が破れる養殖施設が相次いだ。
有明海でノリ漁をする熊本県の15漁協すべてで被害があり、特に荒尾市など県北では壊滅状態に近い漁協もあるという。
本来なら現在はノリ漁の最盛期だが、この影響で1月31日にあった入札会に出品したノリは、前年同時期の半分以下の7400万枚にとどまった。
今後も出品数は例年を下回る見通しで、熊本県漁連の担当者は「過去にない被害」と肩を落とし、国や県に施設の再建費用などの支援を求めている。
◇鹿児島で少なくとも21億円被害
1月下旬の寒波で鹿児島県の農作物に被害が出ている。県のまとめでは、被害額は少なくとも約21億円に上り、さらに被害額が増える可能性もある。
気象庁によると、九州南端の指宿市でも25日の最高気温は5・4度にとどまった。
県農政課によると、この寒波で農作物が相次いで低温被害を受けた。指宿市で生産が盛んなソラマメやエンドウマメのさやや実が傷み、ジャガイモも葉や茎が損傷している。また果樹や花卉(かき)の一部も被害が出ている。
1日時点で被害額は21億1600万円だが、調査が進むと豆類を中心にさらに被害額が増える恐れもあり、寒波で36億9800万円の被害が出た2016年1月以来の規模になった。
熊本県でも強風でビニールハウスが飛ぶ被害などが散発的に出たが、被害額を集約するかは未定。宮崎県は大きな被害はなかったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ff27a0a03beb01d6ba28b0e4359bd14f915ea07
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