実はいま、がん検診で異変が起きているといいます。
早期がんの発見が減って、すでに他の臓器などへの転移がある“進行がん”が増えているのです。
そこで、長年がん検診を行っている医師に最前線の話を聞きました。

富山県健康増進センター所長 能登啓文医師:「病院のデータを見ていましても、早期がんが減って“進行がん”が増えているんです」

心配になる話を語るのは、がん検診を行っている富山県健康増進センター所長の能登啓文(のと・ひろふみ)医師です。
なぜこのような事態になっているのでしょうか?

能登啓文医師:「3年前からコロナで(がん検診の)受診率がぐんと下がったんです。特に胃透視(バリウム検査)がほとんど5分の1ぐらいになっちゃった」

富山県のがん検診受診率は、コロナの感染が拡大した2020年に大きく落ち込んだといいます。その結果起きているのが…。

能登啓文医師:「高齢の方の場合ですね、60歳以上の方の場合にはやっぱり1年、2年検診を受けていないとなると、
(がんが)1センチから2センチの倍になるのは非常に早い。1センチぐらいまでは10年近くかけて、ゆっくりゆっくり大きくなるんですけど、
最後にコロコロと雪だるま式に急に大きくなるんです。だからその間に検診を受けずに2年3年空いちゃうと、ロスがすごく大きいんです」

特に男性の罹患が最も多い胃がんの受診が12パーセントとかなり低くなっています。
コロナによる受診率の低下により、早期がんの発見が遅れているのです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/da20a54ba59588136046fb64687edc132a8824ca