鈴木 若い世代だけでなく、高齢者にもチーズなどの乳製品はもっと摂ってもらいたいですね。
軽度認知障害(MCI)の高齢者がカマンベールチーズを摂取すると、脳神経を保護する作用のある「BDNF」が増えることが、私が在籍していた東京都健康長寿医療センターや桜美林大学、株式会社明治の共同研究グループによる実験でわかったんです。
BDNFは、哺乳類の脳内で作られる重要な脳の栄養分で、記憶を司る海馬領域などに高濃度で存在しています。これが増えれば、記憶力や気力が向上し、認知症の発症を遅らせる可能性があります。加齢はBDNFを減らす大きな要因なので、いかに減らさないかがポイントです。
本間 BDNFという物質が認知機能と関係があって、カマンベールチーズを食べるだけでその物質が増やせるなら、認知症予防には朗報ですね。
鈴木 運動、特に有酸素運動をすると増えることはすでに証明されています。適切な身体活動がいちばんの予防対策であることは間違いないのですが、高齢になるほど、腰が痛い膝が痛いと運動ができにくくなってきます。そのときに不足の物質をサプリメント的に補う。カマンベールチーズは、最適の食品だと思います。
本間 どのくらいの量を食べればいいのですか。
鈴木 6分割されたカマンベールなどが売られていますね。あれを1日2ピース程度でいいと思います。朝1個、夜1個。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd8ffa28d725470e0ed1422cfe108c3271aefbc4