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グミ人気の一方で若者のアメ離れが深刻化!? 女子高生の特別チーム始動
2002年に発売された、カンロの「ピュレグミ」。実はここ数年で売り上げが急増し、去年には、グミの年間売り上げナンバーワンになりました。アメの市場が縮小していく中、菓子メーカーの新たな稼ぎ頭となっているグミ市場。その背景には、一体何があるのでしょうか。
若者が多く集まる渋谷のドン・キホーテ。店の一角を占めていたのが「グミドンキ」という、去年から展開している200種類ものグミ商品を集めた専用コーナーです。ハンバーガーの形をしたグミなど、見た目に楽しいグミが並びます。
現在、グミ市場は右肩上がり。富士経済によると、2022年（見込み）は562億円とこの10年でおよそ2倍に伸びていて、今後もさらに伸びると期待されています。
このグミブームを支えているのは10代から30代の若い女性。特徴はその情報源です。グミのそしゃく音を伝える「ASMR」と呼ばれる動画がZ世代たちの支持を集めているのです。
プレッツェルのような形と食感が特徴のグミ「グミッツェル」は、カンロが2012年に発売した商品ですが、最近ではそのASMR動画が人気に火をつけて品薄状態が続いています。
ASMR動画で人気となったグミッツェル
グミッツェルの大ファンという女性は「ASMRの女の子がグミッツェルを食べていて、あの音がたまらなくて」と動画をきっかけに、グミッツェルの定期購入を開始。カンロの他のグミも買うようになり毎月5000円ほど使っているといいます。
グミ業界で躍進を続けるカンロ。毎月のように新商品を出していて、グミの売上高は1年で3割以上伸びています。その大ヒットの裏には味や食感だけでない、ある秘密がありました。
カンロのロングセラー商品「ピュレグミ」の開発会議。この日は秋冬商品のアイディア出しをしていましたが、重視されているのはパッケージのアイディアです。
例えば2021年には1つの味に対して、5色のパッケージを作りました。その結果、「好きなアイドルの推しカラーとして色を集めてもらったり、5色並ぶとカラフルで非常にかわいいということでまとめ買いをしてくれた」（カンロの上田夏樹さん）
こうしたアイディアが20代女性の心をつかみ、出荷額は1年で2割以上増加。2022年には、発売20周年にしてグミの年間売上ナンバーワンに上り詰めたのです。
グミのヒット商品を次々と生み出すカンロ。1月、そのトップに就任したのが53歳の村田哲也社長です。
佐々木明子キャスター「グミ市場は10年で2倍に拡大と急成長していますが、なぜここまで伸びているんでしょうか？」
村田社長「グミ市場は特に30代前半までの若い女性を中心に非常に拡大しています。その背景はいくつかあります。その一つはグミは製法によって様々な形や食感を作ることができる。2つ目には、グミはSNS映えをします。コロナ禍において若い女性を中心に、グミというキーワードで非常に共感や繋がりが広がった。そして3つ目は、グミはゼリーに似たイメージがあって、食べた後に罪悪感が少ないことも若い女性にとってグミが魅力に映る点じゃないかと考えています」
グミの売れ行きを伸ばしているのがSNSの存在です。YouTubeではグミの食感を音で楽しむASMR動画が投稿され、ここ数年話題となっています。他にも、TikTokやインスタグラムといったSNSではグミに関する情報が無数に投稿されていて、カンロも独自のSNS戦略をとっています。
例えばTikTokでは「マロッシュ」という商品のCMソングを使ってオリジナルのダンスを制作。この真似をする若者が続出しました。この冬発売のピュレグミでは今年の干支であるうさぎ型のグミをランダムで入れることで、インスタグラムやツイッターで写真が拡散されています。
佐々木キャスター「ずいぶんとSNSに力を入れてるように見えますが、やはりこの戦略は重要なんですか？」
村田社長「特にZ世代の若者は、企業からの一方的な広告に対してあまり興味を示さない傾向があります。一方的な情報発信にならないようにするために共感を得ていくことが大切だというふうに考えていて、その手段としてSNSは重要ですし最適な手段じゃないかと思っています」
佐々木キャスター「SNSは非常に拡散のスピードが速いと言われる一方で、常に引き付けなければいけないという課題もあると思うのですが、それについていくために何かしていますか？」
村田社長「一番大切なのは若い人たちとダイレクトにコミュニケーションをとっていくことです。そのコミュニケーションを通じて、若い人たちの思考などを理解して分析していくということが大事だと思っています」
